- 1 図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
- 2 イーサリアムL2「Kinto」のRollup閉鎖
- 3 Rollupのビジネスモデル「3つのコア」
- 4 Rollupビジネスの問題点
- 5 Rollupデータごとに見るトークンの将来性
- 5.1 Arbitrum($ARB)
- 5.2 Optimism($OP)
- 6 閉鎖に追い込まれる可能性があるRollup
- 7 マイナーRollupの問題点
- 8 まとめ
イーサリアム上のL2ではArbitrumのArbitrum OrbitやOptimismのOP StackのようなRollup Stackにより、気軽にプロジェクトが独自L2ネットワークを展開できる一方、その仕組みとビジネスモデルからKinto($K)のようなリスクも抱えることがあるのです。
本稿ではマイナーEVMチェーンのL2移行や仮想通貨取引所のコインベースのBaseチェーンのようなL2が乱立する理由とリスクについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
Vol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」
Vol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」
Vol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」
イーサリアムL2「Kinto」のRollup閉鎖
イーサリアムのL2としてArbitrumが提供するRollup Stack「Arbitrum Orbit」を採用したプロジェクトである「Kinto」が閉鎖を発表しました。
このKintoの閉鎖理由としては
「2025年7月にDeFiプロジェクトのMorphoがハッキングを受け、当時のレートで2.3億円相当の損害をだし、その負債がETH価格が2倍に高騰したことで返済できなくなった」
というのが主な理由です。
さらにこのハッキングの影響でKintoのネイティブトークンであるKトークンが暴落。FDVはわずか5.74億円となっており、負債が2倍の4.6億円になったことでETH価格が高騰する前に閉鎖に踏み切ったと考えられるでしょう。
一般ユーザーは資産引き出しをできるものの、Morphoの被害者は最大で1100ドルまで、レンディングのPhoenixユーザーは76%までしか資産引き出しをできないとアナウンスしているのです。
Rollupのビジネスモデル「3つのコア」
ではなぜこのような閉鎖が起きるのかについてみていきましょう。まず最初に理解すべきはRollupを採用する利点とビジネスモデルですが、
「Rollupのビジネスモデルは