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墨汁マガジンVol.1171「イーサリアムL2のRollupビジネスモデルから見るリスクとトークン価値」

目次
  • 1 図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧
  • 2 イーサリアムL2「Kinto」のRollup閉鎖
  • 3 Rollupのビジネスモデル「3つのコア」
  • 4 Rollupビジネスの問題点
  • 5 Rollupデータごとに見るトークンの将来性
    • 5.1 Arbitrum($ARB)
    • 5.2 Optimism($OP)
  • 6 閉鎖に追い込まれる可能性があるRollup
  • 7 マイナーRollupの問題点
  • 8 まとめ

イーサリアム上のL2ではArbitrumのArbitrum OrbitやOptimismのOP StackのようなRollup Stackにより、気軽にプロジェクトが独自L2ネットワークを展開できる一方、その仕組みとビジネスモデルからKinto($K)のようなリスクも抱えることがあるのです。

本稿ではマイナーEVMチェーンのL2移行や仮想通貨取引所のコインベースのBaseチェーンのようなL2が乱立する理由とリスクについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。

 

図解で理解するL2″Rollup”の仕組みシリーズ一覧

 

Vol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」

Vol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」

Vol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」

Vol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」

Vol.1131「【図解】イーサリアムL2のNative Rollup(Based Rollup)とはなにか?」

 

イーサリアムL2「Kinto」のRollup閉鎖

イーサリアムのL2としてArbitrumが提供するRollup Stack「Arbitrum Orbit」を採用したプロジェクトである「Kinto」が閉鎖を発表しました。

このKintoの閉鎖理由としては

 

「2025年7月にDeFiプロジェクトのMorphoがハッキングを受け、当時のレートで2.3億円相当の損害をだし、その負債がETH価格が2倍に高騰したことで返済できなくなった」

 

というのが主な理由です。

さらにこのハッキングの影響でKintoのネイティブトークンであるKトークンが暴落。FDVはわずか5.74億円となっており、負債が2倍の4.6億円になったことでETH価格が高騰する前に閉鎖に踏み切ったと考えられるでしょう。

一般ユーザーは資産引き出しをできるものの、Morphoの被害者は最大で1100ドルまで、レンディングのPhoenixユーザーは76%までしか資産引き出しをできないとアナウンスしているのです。

 

 

Rollupのビジネスモデル「3つのコア」

ではなぜこのような閉鎖が起きるのかについてみていきましょう。まず最初に理解すべきはRollupを採用する利点とビジネスモデルですが、

 

「Rollupのビジネスモデルは

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