- 1 イーサリアムL2の仕組み解説一覧
- 2 モジュラーアプローチとDAレイヤー
- 3 イーサリアム上の非EVM Rollupプロジェクト
- 4 L2アプローチが意味を成さない例
- 5 SVMとは?
- 6 MoveVMとは?
- 7 まとめ
イーサリアムのL2はOptimism($OP)のOP StackやArbitrum($ARB)のArbitrum Orbit、zkEVMではzkSync($ZK)のZK StackなどをRollup-as-a-Serveice(RaaS)が提供することで簡単に独自のL2を構築が可能となっています。一方でL1アプローチとしてのソラナ($SOL)やAptos($APT)、Sui($SUI)などのMOVEチェーンなどをイーサリアム上に展開する「非EVM Rollup」の流れも出てきているのです。
本稿ではRollupのサブストリームとしての「非EVM Rollup」について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
イーサリアムL2の仕組み解説一覧
墨汁マガジンVol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」
墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」
墨汁マガジンVol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」
墨汁マガジンVol.609「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.3 Fraud Proofとは?L2スケーリングにおける利点と欠点」
墨汁マガジンVol.615「The Merge後のイーサリアム2.0とL2の完成形を図解で理解する」
墨汁マガジンVol.641「The Surgeとは?イーサリアム今後のアップデートと関連技術の概要」
墨汁マガジンVol.704「Sequencer(シーケンサー)とは?L2のRollupにおけるバリデータの役割」
墨汁マガジンVol.726「図解で理解するRelayer型クロスチェーンブリッジコントラクトの仕組み」
墨汁マガジンVol.789「EIP-4844 Proto-Dankshardingとは?図解で理解するイーサリアムへの影響」
モジュラーアプローチとDAレイヤー
イーサリアムはマイニングが必要なEthash(PoW)からコンセンサスレイヤーとなるBeacon Chainを導入してThe MergeでCasper FFG(PoS)に移行した際、元のイーサリアムチェーンを破棄するのではなくコントラクト実行の「ETH1エンジン」とし
「目的に応じたモジュラー構築によるスケーリングアプローチ」
を2021年に設計したのです。
このアプローチは現在のRollupやその関連プロジェクトが参考にしており、直近ではETHのセキュリティを活用するリステーキングのEigenLayer($EIGEN)とAVS、DAレイヤーのCelestia($TIA)やAvail Network($AVAIL)、ビットコインステーキングのBabylon($BABY)がこのアプローチを採用して2024年前後にかけてローンチしたということです。
これらをモジュラーブロックチェーンと呼び、コントラクトの実行レイヤーやDAレイヤー、コンセンサスレイヤーなどを分割することが一般的になってきたといえ、Rollupのアプローチもその系譜であるということがわかります。
モジュラーアプローチについては墨汁マガジンVol.918「モジュラーブロックチェーン(Modular Blockchain)とは?Celestia(TIA)のアプローチを理解する」を参照してください。
イーサリアム上の非EVM Rollupプロジェクト
ソラナ(Solana)は分散によるセキュリティやスケーリングを捨ててTPSを優先しているため従来のブロックチェーンにおけるアプローチを崩したものであり、多くの欠点が存在します。一方で非EVM Rollupとしてのモジュラーアプローチによりこれらの問題を軽減することができるとも言えるでしょう。
非EVM Rollupプロジェクトは主に下記表の通りとなります。
プロジェクト | 公式X(Twitter) | VM種類 | シンボル | 資金調達額 |
---|---|---|---|---|
Eclipse | @EclipseFND | SVM | ES | 6,500万ドル |
Movement | @movementlabsxyz | MoveVM | MOVE | 4,140万ドル |
SOON | @soon_svm | SVM | TBD | 3,800万ドル |
L2アプローチが意味を成さない例
まずソラナやAptos、SuiのようなL1におけるL2アプローチは意味をなさない理由としては
「イーサリアム