2026年7月15日、日本国内での仮想通貨(暗号資産)に大きな影響を与える金融商品取引法の改正が参議院本会議で可決されました。これにより仮想通貨における分離課税(20.315%)が確定し、日本における仮想通貨投資家にとって大きな影響を与えることになります。
本稿では今後の税制改正における落とし穴と、それに対応するにはどうすればいいのかについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。分離課税を前提としたトレード戦略については墨汁マガジンVol.1211「日本の仮想通貨の20.315%の分離課税はいつになる?今後と分離課税を意識したトレード戦略を考える」を参照してください。
仮想通貨の国内規制解説一覧
Vol.1058「仮想通貨(暗号資産)の分離課税はいつになる?税制改正に必要なことと問題点」
Vol.1090「金融庁の意向は仮想通貨(暗号資産)の分離課税実現へ一歩か?現行規制と問題を理解する」
Vol.1133「仮想通貨投資家の最大の壁は税金 分離課税まで個人投資家はどう考えるべきか?」
Vol.1190「暗号資産ETFの金融庁見解から見る国内での税制とビットコインETF実現」
Vol.1200「暗号資産交換業者規制における今後の国内仮想通貨取引所への影響」
Vol.1216「仮想通貨取引所のミームコイン検閲から見る金商法規制の危険性」
仮想通貨の分離課税が確定
2026年7月15日、参議院本会議にて仮想通貨(暗号資産)の規制を従来の資金決済法中心の枠組みから金融商品取引法(金商法)へ移行する改正法案が可決され、仮想通貨投資家が長らく待ち望んだ20.315%の分離課税は実現へ大きく前進した状態です。
一方でここで注意が必要なのは
「分離課税は金商法改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後の取引から適用される」
という点です。
仮想通貨分離課税の適用時期に注意
この金融商品取引法改正は7月23日に公布されたものの、施行日は「公布から1年以内に政令で指定」とされており、2026年内に施行されるとは限りません。したがって現実的には2027年施行、2028年1月1日以降の取引から分離課税が適用される可能性として見ておく必要があります。
また対象はすべての仮想通貨ではなく、金融商品取引業者登録簿に登録された「特定暗号資産」を、国内登録業者を通じて売却することが前提となるため、海外取引所やDEX、DeFi、エアドロップ、ステーキング報酬などは対象外または複雑な形式となる場面が多いと言えるでしょう。
免責事項
本稿は税務アドバイスではなく、金融商品取引法改正における仕組み上の解釈であり、仮想通貨投資家の状況によって変わる可能性があります。いかなる税務判断における損失、申告ミスにおける責任を本サロンは負いません。あらかじめご了承ください。
分離課税の対象取引
ではここからはこの複雑な形式と考えられるシチュエーション、そこで仮想通貨投資家が損しないためにどうすべきかについてみていきます。
まず分離課税の対象となるのは
「イーサリアム(ETH)やビットコイン(BTC)のような特定仮想通貨ではなく、暗号資産交換業者が取り扱う特定暗号資産(特定仮想通貨)」
となります。
さらにここで重要となるのは日本の登録暗号資産交換業者への売却、または同業者への売委託によって売却することという条件があるため、
「分離課税が対象となるのは売却益のみであり、例え国内仮想通貨取引所でも総合課税となるものもある」
という部分的な分離課税となるわけです。
これは株式のような配当金と異なり、まだ分離課税としては第一段階であると言えるのです。
仮想通貨の課税タイミング
では課税タイミングにおける分離課税対象についてみていきましょう。基本的に特定暗号資産
