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PBS(Proposer/Builder Separation)とは・・・

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イーサリアムのPBSとは「プロポーザー/ビルダーセパレーション」の略で、つまりマージ(The Merge)後のバリデータによるブロック提案においてDeFiやNFT、送金などのトランザクションを取り込むためにピックアップを行うBuilder(ビルダー)とそのトランザクションをブロックに取り込んで実際にBeacon Chainに提案を行うプロポーザー(Proposer)を分離する実装のことを指す。

イーサリアムロードマップのThe Splurgeとして当初は提案

PBSはもともとThe Mergeを含めた5つのイーサリアム開発ロードマップの一つである”The Splurge”として提案されたセキュリティと分散性の向上を目的としたシステム。このPBSを一足はやく実装し、MEVとフロントランニング問題に対応したのがFlashbotsで、現在ではMEV-Boostとして知られている。

 

PBSは”The Scourge”として独立

The SplurgeはPBSだけでなくVDFやAccount Abstractionなどの複雑な実装のうちの一つとして提案されていたため、現在のMEV-Boostのドミナンスがイーサリアムネットワークの9割に達している現状から優先すべきアップデートとして「The Scourge」として新たにVitalikによって提案された。

 

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イーサリアムのMEVとは元は”Miner Extractable Value”と呼ばれていた、マイナーやバリデータが得られるブロック報酬とは別に得ることができる利益のことを指す。現在は”Maximal Extractable Value”の略称であり、利益の最大化を指す言葉に変化しているので注意。
DeFiのMEV問題 2020年から2021年にかけてイーサリアムのDeFiが人気を博すようになると、DeFiのフロントランニング問題によるMEV問題が深刻化した。
MEV自体はマイナーやバリデータにとって収益を最大化することは当然のインセンティブであるため、根本的な問題はフロントランニングにあるということになる。このMEVとフロントランニングによってガス代は1000Gweiを超え、2019年と比較するとガス代は最大で200倍にも高騰した。
MEV-BoostとPBS 2022年9月にマージが完了してCasper FFGに移行したことで、バリデータが誰もが平等にMEV-Boostを使用することが可能になり、ステーキング報酬をより高くすることができている。その一方で新たなイーサリアムの開発ロードマップとしてPBSがThe Scourgeとして提案されており、MEVの調整やリスクの軽減、分散性の向上が可能となるだろう。