- 1 BlockFiのチャプターイレブン解説一覧
- 2 BlockFiのチャプターイレブンプラン投票可決
- 3 仮想通貨返還の前に解決しなければいけない問題
- 4 FTXと3ACの複雑な破産処理
- 5 仮想通貨の初期弁済は2024年4月以降の見込み
- 6 初期配布後のロビンフッド株訴訟の行方
- 7 まとめ
2022年にFTXグループ破綻により連鎖倒産した仮想通貨レンディングのBlockFi(ブロックファイ)は他のチャプターイレブン(米連邦破産法11条)による再建処理中の企業の中で最も早く再生プランの投票を開始し破産裁判所によって承認されました。一方でBlockFiの破産理由であるThree Arrows Capital(3AC)やFTXのチャプターイレブンの影響を受けており、再生プランで提示されていた債権者への仮想通貨(暗号資産)スケジュール通りには行かない状態となっているのが現状です。
本稿ではBlockFiのチャプターイレブン投票の結果及び現状と仮想通貨返還における今後についてわかりやすく解説を行います。
BlockFiのチャプターイレブン解説一覧
Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」
Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」
Vol.787「BlockFi/Voyager Digital/セルシウスのチャプターイレブン破産申請後の現状と違いを理解する」
Vol.794「FTX/BlockFi/Voyager/セルシウス債権者はどれだけ仮想通貨の返済を受けられるのか?」
Vol.798「BlockFiの破綻理由を破産裁判資料から理解する 仮想通貨企業が抱える共通リスク」
Vol.801「BlockFiのBIAからWalletへの引出し無効に対する反対申立ての根拠と現状は?」
Vol.803「チャプターイレブンのクローバック(Clawback)とは?Preferencesとコード547節」
Vol.825「BlockFiから債権者への書類郵送 今後の対応と住所やアドレス変更をするには?」
Vol.833「【2023年3月最新】破産したBlockFi(ブロックファイ)の再建状況 SVB破綻影響やProof of Claim締切など」
Vol.836「BlockFi(ブロックファイ)BIA→ウォレット引き出し論争の現状 和解は可能か?」
Vol.852「BlockFiのチャプターイレブン再生計画を理解する チャプターセブンと(清算)との比較と問題点とは?」
Vol.870「破産したBlockFi(ブロックファイ)が抱える大きな問題と再生プランへの影響」
Vol.872「BlockFiウォレットアカウントの引き出し開始の条件とClawback問題 妨害するUCCの真意は?」
Vol.891「BlockFiのチャプターイレブン再生プランに投票すべきか?プランの変更点とポイントを理解する」
Vol.893「Convenience Claimとは?注意が必要なBlockFiのEBallotを使用したチャプターイレブン再生プランの投票」
BlockFiのチャプターイレブンプラン投票可決
BlockFiは2023年9月11日に修正された第二再生プランの債権者における投票を締め切りをし、9月末に投票状況を開示しました。少額債権者におけるConvinced Claimの影響もあり投票率はすべての債権者クラスにおいて92%を超え、なおかつ賛成投票が約90%となったことでチャプターイレブンの再生プラン投票を無事終えることとなりました。
その後ニュージャージー州破産裁判所によりこの再生プラン投票結果が承認され、正式にBlockFiの再生プランが可決されたのです。
つまりこれはどういうことかというと、
「BlockFiはチャプターイレブンはチャプターイレブンにおける破産処理を終了し、自己清算に向けて各種整理を開始する」
ということになるのです。
仮想通貨返還の前に解決しなければいけない問題
BlockFiは日本ユーザーには最低限で50%を超える弁済を行うとチャプターイレブン再生プランでは予定しているものの、乗り越えなければいけない試練が複数残っているのが現状です。
主な問題点としては
1.仮想通貨引出しシステムの新規構築
2.FTX