イーサリアムの”EVM”とは「Ethereum Virtual Machine」の略で、イーサリアムブロックチェーン上でDeFiやNFTなどのスマートコントラクト実行を可能とするスタックベースのバーチャルマシンを指す。コントラクト実行にはEVMのOPCODEが使用されるが、プリコンパイルコントラクトはクライアント側の実装であるため、EVMに依存しないという特徴を持つ。
イーサリアムのEVMをコピーして実装したブロックチェーンを”EVM経済圏”と呼ぶ。主なEVM経済圏としては
・BSC(BNB)
・Polygon(MATIC)
・Avalanche(AVAX)
・Fantom(FTM)
・Gnosis Chain(GNO)
などがある。
EVMをそのままコピーしているEVM経済圏に対し、ゼロ知識証明(zk-SNARKs)の演算と互換性を持つEVMであるzkEVMがある。zkEVMは主にValdity Proofをベースにしたzk-Rollupを採用したイーサリアムL2ネットワーク用に開発されており、
・zkSync(ジーケーシンク)
・Starknet(スタークネット)
・Linea(リネア)
・Scroll(スクロール)
・Polygon zkEVM(ポリゴン・ジーケーEVM)
などが個別に開発を行っている。
イーサリアム2.0のSharding上ではEVMではなく次世代のEVMであるeWASMが実装される予定となっている。
2018年の開発ロードマップでは「イーサリアム1.x」としてイーサリアム1.0でeWASMを実装する議論が行われたが、先にイーサリアム2.0に移行をしてマージ(The Merge)が行われたため、2023年6月現在eWASM移行の予定はない。