イーサリアムの「PreConfirmation(Preconfs)」とはイーサリアムブロックに取り込まれる前段階でトランザクションのX番目のブロック(スロット)への取り込みを保証する“仮確定”の仕組みを指す。
PreConfirmationを導入するにはバリデータの新たなスラッシュ条件、FOCILの実装が必須となり、現状はできない。Fusaka(フサカ)アップデートではEIP-7917 Deterministic proposer lookaheadが実装され、PreConfirmation導入の前準備段階が進んでいる。
イーサリアムはShardingからRollup Centricへとシフトし、L2の活用によりTPSの問題は大きく改善された。しかしTPSでは解決できない課題があり、「イーサリアムがステーブルコインなどの支払いを包括するマスアダプション段階に入る場合、現状のブロック取り込みとファイナリティ確定では遅い」という問題である。
Beacon Chainでは32スロット(約6.4分)でファイナリティが確定するが、決済UXとしては十分とは言えない。Beam Chainではシングルスロットファイナリティで4秒で完結する予定だが、依然としてPreConfirmationは決済システムやWeb3が既存システムの置き換えには不十分である。
PreConfsは、Native Rollup(Based Rollup)の議論の中で、Justin Drake氏が提案した概念である。定義は以下の通り「トランザクションがnブロック後に必ず含まれることを保証する仮確定状態を導入する仕組み」となる。このコンセプトは2012年のビットコインにおける「0conf」に起源を持ち、2023年にイーサリアム文脈で再定義された。
Preconferはトランザクションを必ず含めることを署名で保証し、その対価としてPreconf Tipsを受け取る。さらに、Preconferは将来スロットの優先権を持つ。
スラッシュ条件は以下の2つである。
1.ライブネス違反(Skip-Blockなど)
2.安全性違反(約束TXを含めない検閲行為)
これにより、Preconferは誠実に行動するインセンティブを持つ。PreConfirmationではTPS向上ではなく、「確定までの時間」を短縮するUXスケーリングである。Native Rollupと密接に関連し、イーサリアムが決済インフラとして機能するための重要な拡張設計と位置付けられる。