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人気仮想通貨用語辞典

イーサリアムのMEVとは元は”Miner Extractable Value”と呼ばれていた、マイナーやバリデータが得られるブロック報酬とは別に得ることができる利益のことを指す。現在は”Maximal Extractable Value”の略称であり、利益の最大化を指す言葉に変化しているので注意。
DeFiのMEV問題 2020年から2021年にかけてイーサリアムのDeFiが人気を博すようになると、DeFiのフロントランニング問題によるMEV問題が深刻化した。
MEV自体はマイナーやバリデータにとって収益を最大化することは当然のインセンティブであるため、根本的な問題はフロントランニングにあるということになる。このMEVとフロントランニングによってガス代は1000Gweiを超え、2019年と比較するとガス代は最大で200倍にも高騰した。
MEV-BoostとPBS 2022年9月にマージが完了してCasper FFGに移行したことで、バリデータが誰もが平等にMEV-Boostを使用することが可能になり、ステーキング報酬をより高くすることができている。その一方で新たなイーサリアムの開発ロードマップとしてPBSがThe Scourgeとして提案されており、MEVの調整やリスクの軽減、分散性の向上が可能となるだろう。

新着仮想通貨用語辞典

Know Your Customerの略で、銀行や仮想通貨取引所などのビジネスにおいて、顧客の個人情報を検証するプロセスを指す。仮想通貨の場合、AMLの懸念などによりKYCを行わなければ引出し制限が追加され、取引所に入金を行うことはできるが、出金の際には1日100万円以下または取引などの制限が課されることが多い。
Group of Twentyの略で、日本、英国、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリアのG7にEUやロシア、オーストラリアなどをくわえた20カ国を指す。G20国財務相・中央銀行総裁会議では、仮想通貨を新たな金融システムとしての大きなメリットを得る一方、AMLやCTFに対策するための規制の導入について会議されている。
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Financial Action Task Forceの略で、マネーロンダリングやテロリストへの資金が流れないような対策などを行う政府間機関。2019年6月現在、仮想通貨市場の大幅な成長に伴い、AMLやCTFを目的とした新たな規制のノートとガイダンスをG20で発表。VASPに対し、KYCの遵守などが提案されている。
Virtual Asset Service Providersの略で、ビットコインやイーサリアムをはじめとする仮想通貨などのデジタル資産に関するサービスを提供する業者や団体を分類するカテゴリ。FATFによって定義され、主に取引所やカストディサービスなどがそれらの対象となる。
最新のスマートコントラクトやコードなどの古いバージョンを指す。コントラクトにおいてのレガシィプロトコルでは、新規コントラクトと互換性はないため、新規コントラクトがローンチした場合、自身でレガシィプロトコルから新規コントラクトへ移行する必要がある。Compound v2に対して、Compound v1がレガシィプロトコルという位置づけとなる。
イーサリアム上に2019年5月にローンチした、Compoundの新規コントラクト。WETHでWrapしてレンディングするというレガシィプロトコル(Compound v1)から、対応しているERC20トークンごとのコントラクトへと変更。イーサリアムウォレット内の全てのETHを貸付して、ガス代が残らないなどの問題防止やUSDCの追加、UIの変更などが行われている。
イーサリアム上でzk-SNARKsの実装を行うことができ、Zcash on Ethereumを可能とするツールボックス。”検証者”として動くスマートコントラクトを作成することができ、匿名化した情報とこの値が正であることを検証者に証明するProofを生成することができる。NightfallでERC20やERC721トークンを匿名送金する際に使用される。名前の由来はアテネの哲学者ソクラテス(Socrates)から来ている。
ゼロ知識証明を元に、Zcashがはじめて導入して匿名送金を可能にしたプロトコル。ネットワークコンセンサスルールの一部をzk-SNARKsにエンコードすることで、匿名化する前の値がコンセンサスルールに従って正しいことを”その値を公開せずに”証明をすることができる。送信者と受信者は元の値を参照することができるが、ノードは”その値が正しいという証明”しかわからないことで、匿名を可能とする。
イーサリアムでは2022年11月現在、zk-SNARKsをSNARKと表記することが多く、SNARKはzk-SNARKを活用した検証可能な証明を指すことが多い。
イーサリアムやビットコインにおけるトラストレスとは、信用するに足りないという”Trustless”ではなく、”Trust-less”。つまり、ビットコインやイーサリアムなどの十分に分散され、ハッシュレートを持つブロックチェーンを使用する際、信用する必要がない分散ネットワークのことを示す。銀行や既存サーバーの場合、それらが倒産や不正をしないことを信用しなければならないのに対し、トラストレスなネットワークはそれらの信用を必要としない。
Zcashのzk-SNARKsをイーサリアムへ実装し、イーサリアム上での匿名送金を可能とする実装。2016年7月からイーサリアムファンデーションとZcashカンパニーが共同で開発を開始し、ビザンチウムでイーサリアムに実装を行った。
ゼロ知識証明とは、zk-SNARKsに使用されている暗号理論を指す。ある解の数値を公開せず、その解が正しいことを証明するというもので、ブロックチェーンではZcashがはじめて実装した。イーサリアムにおいてゼロ知識証明は今後10年の開発のコア技術に取り込まれる予定となっており、すでにL2ではzk-Rollupとしてメインネットローンチされている。
 
イーサリアムとゼロ知識証明の歴史 イーサリアムでは2017年の”ビザンチウムアップデート”でzk-SNARKsを実装しており、Zcash on Ethereumとして利用することが可能となった。2020年にはZokratesなどでイーサリアム上でゼロ知識証明を活用することができ、匿名送金やコントラクトの難読化などにも活用されている。
2021年に入りL2のコア技術の一つであるRollup(ロールアップ)が注目を集めるようになり、zk-Rollupの開発研究が盛んに行われるようになった。2023年にはzkEVMを導入したStarknet(スタークネット)とzkSync(ジーケーシンク)がイーサリアムメインネットにローンチしており、これまで以上にゼロ知識証明の恩恵をイーサリアムが受けている。
 
イーサリアムとゼロ知識証明の今後 イーサリアムは今後10年の開発ロードマップとしてゼロ知識証明を元にしたzk-SNARKsをイーサリアムL1に組み込むことを予定しており、”バージ(The Verge)”で導入する予定となっている。
Ernst & Youngの略で、世界4大会計事務所の一つで、コンサルティングなども行う。2018年後半からイーサリアム上で、zk-SNARKsを活用した匿名送金のプロトコル開発などを行っており、2019年にはNightfallをGithub上に公開している。
Production Readyとはソフトウェアやプロトコルなど、製品や実装が可能な状態を表す。Production Readyではない場合、セキュリティ上の問題や監査が十分ではないことを示すためテストなどを行う自己責任となる。イーサリアムやビットコインでもあらたな機能を実装する際、このProduction Readyを規準に考えて開発が行われる。
EYにより2019年6月Github上に公開された、Zcash on Ethereumのzk-SNARKsを使用した匿名送金をイーサリアム上で可能にするプロトコル。Production Readyではなく、主に開発や実装のアイデア促進などを目的にしたものである。ERC-20やERC721トークンに対応しており、EYによるとフードトレーシングやサプライチェーンのマネジメントなどのユースケース向上を測るとしている。
2023年から実行されるエスクローコントラクトで、毎月リップル社に送金されるXRPの総数。リップル社によりOTC売却や取引所などに貸付が行われる。
2018年から55コントラクトのエスクローが毎月実行され、リップル社によって市場に放出されるXRPの総数。55ヶ月間毎月エスクローが実行される。
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2017年12月にリップル社によりロックアップされたXRPの総数。10億XRPごとに55コントラクトに分割され、2018年から毎月10億XRPがリップル社の元に送金される。
株におけるIPOにて、公開前に保有している株主が売却できないようにする契約を指し、仮想通貨では特にリップルで使用される。エスクローを作成し、一定期間後に返却されるコントラクトを作成し、リップル社のコントロール下を設定した期間離れる(売却できない)ことを指す。
Casper FFGとはイーサリアム2.0のコンセンサスアルゴリズムであり、Casper the Friendly Finality Gadgetの略を指す。Nothing at Stake問題などの多くの問題を抱えるPoSに対して、スラッシュなどのバリデータペナルティを実装し、全バリデーションがコンセンサスに参加することで、ファイナリティのDAOを可能とした。Casperの中でイーサリアム開発者のVitalikが主導で開発、リサーチを行っていたCasperの一つであり、Hybrid Casper FFGの代用となる。
イーサリアム2.0フェイズ0のBeacon Chainにおいて、コンセンサスアルゴリズムとしてCasper FFGが採用されており、フォークチョイスルールやアテステーションなどHybrid Casper FFGとは大幅な改良が加えられている。当初イーサリアム2.0へ実装予定であったHybrid Casper FFGはステーキングに1500ETHを最低条件としていたのに対し、Beacon Chainに実装されたCasper FFGでは32ETHが最低ステーキング数となっている。
Casper FFGではフォークチョイスルールによりバリデータのオンライン数が不十分で、ファイナリティをBeacon Chainに付与できない場合、バリデータをスラッシュしてCasper FFGを再起動する。
イーサリアムのShardingとCasperを組み合わせた呼び方。イーサリアム2.0での導入予定であるものの、正式な呼び方ではない。
Shardingとは、イーサリアム2.0のフェイズ1で実装が予定されているブロックチェーンのトリレンマを解決し、スケーリングを可能とする新たな技術。ブロックチェーンを複数の並列のチェーンに分割することで、TPSを大幅に向上させるスケーラビリティ解決方法であり、スケーリングが困難なブロックチェーンを次のレベルへと成長させることができる。
Shardingはサイドチェーンと比較し、より綿密な連携を行うことで1つのネットワークとなることができるため、イーサリアムネットワークの根本的なスケーラビリティを解決することができるという利点がある。Shardingを完全に実装するには各Shard Chain間のトランザクションのやり取りとなるCross Shardなどの技術が必要であり、イーサリアム2.0フェイズ1での実装ではまだ完全な実装とはならない。
当初の予定では1024Shard Chainが実装される予定だったが、2021年3月現在は64Shard Chainが実装される予定となっている。Shardingはセキュリティを保ちつつスケーリングを可能にする次世代ブロックチェーンといえる。
ステーキングとはイーサリアム2.0のバリデータにおいてバリデータとして登録するために、32ETHをデポジットコントラクトにデポジットする行為を指す。イーサリアム2.0では32ETHをローンチパッドを介してステーキングすることでバリデータとしてアクティベートされ、Beacon Nodeとバリデータノードを建ててイーサリアム2.0へ参加することで、最大年間21.6%のバリデータ報酬を得ることができる。
イーサリアム2.0テストネットのPyrmontテストネットに参加するには、32GoETHをGoerli上のデポジットコントラクトにステーキングする必要があり、メインネットとデポジットコントラクトのアドレスが違うため注意。
イーサリアムやビットコインなどのノードがネットワークに接続している状態を指す。オフラインの場合、マイナーはマイニングをしていない状態であり、フルアーカイブノードやフルノードはトランザクションを検証していない状態となる。
イーサリアムにおけるノードは、通常ネットワークでトランザクションを検証するブロックチェーンデータを持ったコンピュータまたはサーバーなどを指す。ノード自体はネットワークの1つのポイントの意。
中古車販売などでよく使われる購入した物を再度売る際の価値を指す。
イーサリアムのCasperとはイーサリアム2.0におけるコンセンサスアルゴリズムの名称であり、32ETHをステーキングすることでバリデータとしてネットワークへ参加するイーサリアム独自のProof of Stakeを指す。2014年からイーサリアムファンデーションがリサーチ、開発を行っており、Casper FFGとして2020年12月1日によりBeacon Chainで使用される。イーサリアム2.0(セレニティ)では最終的にマイニングを必要とするレガシーチェーンのEthashから、完全にProof of StakeとなるCasperへの移行を前提に開発しており、現在使用している簡易GOHSTプロトコルから、”Casper”と命名している。Casperのもともとの由来は1995年に公開された米国映画の幽霊が主人公であるファンタジーコメディ。
Casperにはイーサリアムのマイニングとイーサリアム2.0のファイナリティをハイブリッドにしたEIP-1011 Hybrid Casper FFGや、Beacon Chainに採用されているファイナリティを得るためにバリデータにより投票を行うCasper FFG、Casper CBCなどがある。Hybrid Casper FFGは当初ステーキングに1500ETHを必要とし、分散によるセキュリティの観点から実装は2年前に却下された。
Proof of Stakeの略称。ブロックチェーンのネイティブ通貨(例:ETH)をネットワークにステーキングすることで、そのネイティブ通貨による重み付けによりブロックを生成するアルゴリズム
イーサリアム1.0の2019年4月現在のEthashでマイニングされているメインチェーンを指す。イーサリアム2.0への移行においてベースレイヤーとなり、Beacon ChainやShardチェーンのセキュリティの裏付けとなる。
32ETHとはイーサリアム2.0において、バリデータになるためにイーサリアムネットワークにステーキングするETHの必要数。EIP-1011のハイブリッドCasper FFGでは当初、1,000ETH~1,500ETHとして提案されていたが、イーサリアム2.0のフェイズ0となるBacon Chainにおいては2018年6月に提案された32ETHを前提に開発、リサーチされている。
2020年1月にBeacon Chainをローンチ予定で、32ETHをデポジットコントラクトにステーキングすることでイーサリアムバリデータになることができる。
イーサリアム1.0からイーサリアム2.0へと移行する準備段階のネットワークバージョン。主に2.0で導入予定であったeWASMなどを先行実装を予定しており、State RentやIPFS(またはSwarm)などを実装し、フルアーカイブノード問題などに対処する。
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